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それはそこで常に蠢いていた。
そこで「小鳥」の観賞をする為に。
そしてその手で「小鳥」を手に入れる幸福を味わう為に。







とあるエニグマの森のはずれで二人の少女は対話していた。
「ねえ。 ガナッシュは何処に行く気なの? 何をするつもりなの?」
少し背が高い少女は背が低い少女にそう言った。
「分かんない…。 それをどうして私に聞くの?」
「私、カベルネから聞いたのよ。 貴方、人の心を読めるんでしょ?」
背が低い少女はそう言われ、俯いた。
「本当だったのね…。 信じられない…」
「全部じゃないよ! ほんの少しだけしか…―」
言い分を言おうとしたが、背が高い少女は悲鳴を上げた。
「全部じゃないにしても、少しは読めるって事!? じゃあガナッシュが何処に行こうとしてるか教えてよ! 何で私達に説明もしてくれないの!?」
大きな怒鳴り声に、背が低い少女はびくりと身体を震わせる。
「そんなに…怒鳴らないで。 悲しくなるから…」
「二人だけ目的を知ってるという事は、私とカベルネは引きずり回されてるだけなのね!?」
「ごめんね、キャンディ! 私にも全部は分からないの! ただ…ガナッシュは お姉さんを助けたい って。 それだけを考えてるの」
キャンディと呼ばれた背が高い少女は「どういうこと? オリーブ」と背が低い少女―オリーブに問いかけた。
「彼のお姉さん、捕まってるみたいなの。 大きな城の中に…何重にも兵士が取り巻いて…」
「捕まってる? 助ける…? 兵士が何重にも取り巻いてたら近づけもしないわよ!」
その言葉にオリーブはぽつりと呟く。
「エニグマと融合すれば…兵士の100人や200人…」
まさか、とキャンディは思った。
そんな事を知りながらも、この少女はのこのこと付いていってるだけなのか、と。
「何で止めないのよ! オリーブはどうして何も言わないで付いて行ってるだけなの!?」
「それは…―」
「私が貴方の事嫌いなの、知ってた?」
先程までとは違う、冷酷な声にオリーブは目を瞑った。
「…知らないよ、知りたくもない…。 本当は私だって、人の気持ちなんか分かりたくないんだよ!」
「貴方は何でも知ってるのよ! 私の気持ちも、ガナッシュの気持ちも、全部…全部!!!」
その時、咆哮があがった。

少女の悲鳴が聞こえたカシス一行はマドレーヌと共にその方向へと走っていく。
そこに倒れていたオリーブとキャンディ。
「どうしたんだ!? 何があった!」
カシスはそう言ったが、意識を失っているようで返事がない。
「大丈夫…。 死んではいないみたい…」
冷静にマドレーヌは言った。だが、その時。
ガナッシュとカベルネが走り寄ってきた。
「先生!! 彼女達、どうしたんですか!?」
「私達が来た時には、近くには何もいなかったけど…。 とりあえず、命に関わるような怪我は負ってはいないわ。 気を失ってるだけみたい」
その声にほっとしたガナッシュとカベルネ。
刹那、意識を取り戻したのか、ゆっくりとオリーブが起き上がる。
「気が付いたヌ~」
「キャンディは? キャンディは大丈夫か!?」
ガナッシュが不安そうに、そう言うとキャンディもゆっくりと起き上がった。
「あれ…? 皆、どうしたの…?」
きょとんとした顔つきで、キャンディはそう言った。
「それはこっちの台詞だよ、お嬢さん」
カシスは溜息をつきながら返答をする。
「一体何があったんだ? オリーブ」
ガナッシュにそう言われ、オリーブはふるふると顔を横に振った。
「分からない…。 急に何かに襲われて…。 気が付いたら皆が…」
その間でも呆然としているのか、キャンディは自分の掌をぼぅっと見ている。
心配になったのか、カベルネが「キャンディちゃん、大丈夫ヌ~? 目がすわってるヌ~…」と言った。
「先生の目を見て。 キャンディ」
キャンディはそう言われ、マドレーヌの瞳を見た。
マドレーヌも真剣な目で、キャンディの瞳を見ている。
「心を閉ざしている…」
そうマドレーヌは呟いたが、当の本人は首をかしげているようで。 
「なんで分かるっぴ? 先生も人の心が読めるっぴ!?」
「魔法使いなんだぜ? それくらい当然だろう?」
ピスタチオとセサミのやり取りを聞いてたオリーブは、震え気味に「もしかして…私の所為…」と言った。
刹那。
「たーーーけーーーてーーーすーーー」
森の奥からショコラの声が轟いた。
「ショコラの声だ! 助けを呼んでる!」
怒涛の出来事にシードルは溜息をついた。
「全く、どうなってるのかなぁ闇のプレーン。 僕らの胸の中にまで闇の帳を落とすのかい…」
詩のような声が聞こえたが、ガナッシュは「先生、オリーブとキャンディを頼みます!」と言って、そのままショコラの声が聞こえた方角へと行ってしまった。
「俺も行くヌ~!」
「待って! 私も!」
続けてカベルネとオリーブも追いかけていったが。
「あ…私も…」
ぼんやりした声で、キャンディまで行ってしまったではないか。
「キャンディ、待ちなさい! 貴方まで行かなくて良いの!!」
マドレーヌも追いかけていってしまった。

数秒ほど、呆然としていたカシス一行。
はっと気付いて追いかけようとしたその時。
横から何かが文字通り飛んできた。


「へいへい! 着いたぜ、闇のプレーン」
陽気なバルサミコの声が、魔バス内に響いた。
「闇のプレーンの…どのあたりかしら」
ブルーベリーは懸命に地図を見て捜索する。
「さっき、ショコラちゃんの声が聞こえたような…」
ペシュは耳をぴくぴくさせながらそう言った。
「やっと来れたわね。 手間取ったのはバルサミコの所為だけど」
今日も酷く不機嫌なユキがそう言った。
「どこがどうって言う訳じゃないけど、何だか嫌な雰囲気~」
どんよりとした曇り空を見て、アランシアはそう言った。
「よーし、じゃあ行くぜ! カフェオレ達を探しに―」
アクセル全開といわんばかりに操作しようとしたら、動かない。
「あれ? 動かない…」
魔バスの中にいる全員が嫌な予感がした。
「はっはっは! それにしても、アレだよなぁ。 サンドイッチ食ってて、汁が垂れそうになった時、縦に持って舐める奴いるだろう? 
レタスとかハムとか、ビラビラしている所を…こう…ペロペロっと。 アレ、止めて欲しいよなぁ―」
どごん、という拳の音が聞こえた。
強烈な光の攻撃だった。

 

 

 


 

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