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魔バスは走る、皆を乗せて。
魔バスは暴走する、皆を乗せて。
「ひゃっほぉぉぉ! 走るぜ走るぜぇぇぇぇ! 止まったら死ぬぅぅぅッ! 鮫だぁぁぁ俺は―」
「五月蝿い」
そう言い、ユキは光の拳をあげた。



「そりゃあ、そうなるに決まってるぜ…」
溜息をつくキルシュと、頷くセサミが青ざめながらその様子を見ていた。
主役と言われて有頂天になったカフェオレにバッテリーを借りて魔バスが動けるようになったものの…。
「今までの話をまとめるわね。 間違ってたら言ってね」
同じく溜息をついたブルーベリーは話し始めた。
「クラスメイトの数は17人。 それとマドレーヌ先生。 で、今ここにいるのが、11人で残りは6人。 それから、マドレーヌ先生。
リクは…まぁ体調が悪くて、他のプレーンで治療中…でいいのよね?
ガナッシュとカベルネ、それにキャンディとオリーブが、ショコラを助けに行った。 後揃ってないのは以上の6人で、マドレーヌ先生は彼らを追いかけて行った、と」
「んで、どうする? ここで待ってるかい? 彼らがショコラを連れて帰ってくるのを」
「俺は待つのは嫌いだぜ! 行こうぜ!」
キルシュの提案にセサミは乗るが、ペシュは「行こうって…何処に行くんですの?」と、最もな発言をした。
「まず行動するのは大切…だと言いたいんだろうけど、それでは全然お話にならないよ、君達。 何処でもいいから行くなら、沼の中にでも飛び込めば良いじゃないか…」
さらにダメ押しで言われ、キルシュは「ぐぅぅ…」と音を立てた。
「とりあえず帰りたい人たちは帰るってのはどうだっぴ?」
ピスタチオの心もない発言に、「馬鹿ね」と、ユキはピスタチオに対して睨みつけた。
「アンタだけ帰ったら、リクはどう思うのかしらね。 あれだけ付き合ってあげたってのに、何の御礼もないのね。 それに皆で帰るって決めたでしょう?」
「いつ決めたっぴーーーー!? オイラ知らないっぴーーー!!」
「ま、ピス坊。 ガナッシュ達がここに戻るとは限らないからな。 待つにしても、ここで待っていることを伝えないことにはどうしようもない。 それにリクに対しては、こっちから迎えに行かないといけないかもしれない。 どちらにせよ、タダで帰ることはできないぜ?」
途中で離脱した仲間の名前に、しょんぼりとするペシュ。
「リクちゃん…。 まさかエニグマが憑いていたなんて…」
「私は知ってたわよ?」
あっけらかんとした発言に、全員がユキを見た。
「知ってたのか!? ユキ!!」
「当たり前じゃない。 私、先生の家で居候してる身だから」
「だったら何で言わないんだ!」
「まぁ、先生曰く、個人情報を表沙汰に出すわけにもいかないし、中身のエニグマは大人しいから大丈夫だろうってね。 先生が大丈夫って言うのなら、大丈夫なんでしょうねぇ」
「でも結局は体調不良で戦線離脱した訳だけど…」
「そこまでは知らない。 でも…エニグマ以外に中に何かがいて、蠢いているのは知ってた。 まぁ、多分それが原因なのでしょうけど…」
「まぁリクに対しては「楽園」ってとこまで行くしかない訳だ。 それにそれを知っているのは先生だけっと…」
「じゃあまずは、ガナッシュ達だな。 それで、それを仕切るリーダーを誰にするか…」
リーダーという言葉にカフェオレが動いた。
「マチナ、アオニサイ! ダレガ リーダーカ、ダッテ!? マバスガ ウゴイテイルコト、ココニコレタコト、ゼンブ オレノ オカゲ! ンデモッテ、オレガシュヤク! オマエラワキヤク! オーケー?」
「誰がリーダーでも良いから早く行こうぜ!」
「オーライ! ユキ、ピスタチオ。 ベストペア! オマエラ、イケ!」
「なんでオイラだっぴかぁぁぁ!」
「後は…私に任せた、なんて言わないわよね? ヘッポコカフェオレ」
イライラし始めているのか、いつものイライラ口調になり始めるユキ。
「もう面倒くさいから、ユキが決めて良いよ…。 ほら、ブルーベリーとか、アランシアとか、頭痛くなり始めてるから…」
「それじゃあ、オイラはここに残るっぴ! それでいいっぴか?」
「それは駄目」
「なんでぇぇぇ!?」

*****

その頃、ガナッシュ達は…。

「そのマッドマンなら、どわーふにつれられて、ひのやまへいったプ」
幼げに喋るパイライトに、ガナッシュは「火の山? どうして?」と問いかけた。
「ん、しらないプ? マッドマンのはらのなかには、ほーせきがはいっているといわれているプ。 マッドマンはつちでカチカチになっていて、オノでもこわれないプ。 でも、ひであぶるとボロボロとくずれおちて、なかのほーせきもとりだせるんだプ」
「あのショコラにそんな秘密があるヌー…」
パイライトから豆知識のような話を聞いたとき、マドレーヌが走ってきた。
「先生、ショコラが大変だ! ドワーフに攫われてモルビエ火山に連れて行かれた!」
「ショコラが!? まさか、宝石目当て!?」
「こっちのおねーさんはしってるプ。 まぁ、しっててとーぜんプ。 やみのプレーンではみんなしってるプ。 そんじゃ、これでプ」
これ以上、知らない人間に関わることはしないほうがいい と感じたのか、パイライトは村へと行ってしまった。
「オリーブとキャンディは…?」
マドレーヌの問いに、ガナッシュは愕然とした。
「まさか二人ともオレ達を追ってきたヌ~…?」
カベルネも呆然としつつもそう言った。
「…まずいわね…」
ガナッシュは「先生! ショコラを頼みます!」と言い、村へと走っていってしまった。
「オイラも行くヌ~!!」カベルネもガナッシュを追いかけるようにして行ってしまう。
「無事でいてね…皆…」
マドレーヌも必死にショコラを追いかけていった。

***

ほぼ休火山状態のその山は火の神がいると噂になっており、所々にマグマ溜まりが点在している。
汗をかきながらもマドレーヌは走っていた。
ふとそこにドワーフとショコラの姿が小さく見える。
「終わったら、元通りにしてやるべさ~。 ちょっとだけ我慢してくんろー」
「こらー! ショコラを放しなさい!」
ドワーフは慌てたのか「逃げるべさー」と言いながら、必死に奥に走って行った。
ようやくマドレーヌがドワーフを追い詰めるとくつくつとそれは笑った。
「この時を待っていた。 お前はこのマッドマンの知り合いのようだが、運が無かったな!」
「運が無いのは貴方の方じゃないの? 私はこの子達に魔法を教えてる先生。 こう見えても強いのよ?」
「だが、そのうぬぼれが命取りだ…。 お前はこのマッドマンの心を開かせる為の贄となるのだ。 お前をいたぶり、こいつが恐怖と悲しみで心に隙を見せた時、俺はこれと一つになる」
まるで妄想を描くように話し続けるドワーフに、マドレーヌは心の底から溜息をついた。
「能書きはいいから、早くショコラを放しなさい。 痛い目に遭うわよ? 良いの?」
「教えてやろう、恐怖は突然にやって来る…。 例えばお前の魔法が全く効かないと分かった時…―」
ふと、突然ドワーフは、クアトロフォルマッジは天に浮いた気分になった。
そしてばたりとその場に倒れる。
「大丈夫? 生きてる?」
無言で倒れているエニグマにマドレーヌは話しかけた。
「いくらなんでも油断しすぎでしょう。 ずっとチャンスを狙ってたようだけど、相当な自信家ね…。 まぁこんな戦い方を見せるなんて教育に悪いから! 行こう、ショコラ」
「せんせー。 つよーい」
「ガナッシュたちが心配ね…。 とりあえず魔バスに戻りましょう!」
マドレーヌが倒れているエニグマに背を向けたその時。
咆哮をあげながらエニグマはマドレーヌに襲い掛かってきた。
「まだ分からないの!?」
マドレーヌはそう言い、光の柱をエニグマに浴びせた。
エニグマは一瞬の内に消滅し、マドレーヌは溜息をついた。
「もう…バカなんだから。 また次の人生で会えるのを楽しみにしてるよ。 さよなら…」
そう言い、火山を二人でゆっくりと下っていった。


森まで戻ってきたマドレーヌに、一匹のパイライトが慌てて話しかけてきた。
「あたたたち…あうー。 あなたちちも、がなっしゅとかいうこのなかま?」
「そうだけど?」
「うーん…きせきのどーくつにはいっていっちゃったんだけど…とめるべきだったかなぁ…」
やっぱりとめなきゃ。プとかいいながら、と言いつつとぼとぼとパイライトたちの村まで歩いていってしまった。
「ばーすー?」
ショコラの催促に、マドレーヌは「バスに戻ってる場合でもなくなって来たな…。 ちょっと寄り道するから、ショコラは村で待っていてね」と、ショコラの頭を撫でてあげた。
「はーいー」

 


******

「楽園」で眠りについていたリクは、ようやく目を覚ました。
そこは緑に覆われた一室なようで、きらきらと陽の光が輝いて見える。
そこに一匹の一角獣がひょこっと顔を出した。
桜色をしたそれは、栗色のつぶらな瞳でこちらをじっと見てくる。
「おはよう、ソレイユ。 外の気分はどう?」
リクはその一角獣の角を優しく撫でた。
嬉しそうに長く伸びた黄金の尾を振ったソレイユは【そと、きもちいい】とリクの心に語りかけたのだった。

 


 

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